新進。


謹賀新年。
兎の如く、
高く遠くへ。







8:30YH発。
10:32ヴェネツィア発。
15:10ローマ着。
16:00YH着。


ローマのYHはローマ五輪の選手村の宿舎を使用している。
駅から離れており、設備も老朽化していた。
スーツケースを6人部屋のロッカーに。
鍵がついていなかったため、
今回の旅で初めて南京錠を使用。


ポポロ広場
スペイン階段


19:30YH着。

部屋に戻ると、南京錠が壊されていた。
スーツケースに施錠していたので、
特に何も盗られてはいない。
他の5ロッカーは手を付けられていない。


ルームメイトが来たので、事情を説明。
なんで自分の鍵だけ壊されたのか?
イタリア人は真顔で答えてくれた。


「お前の南京錠だけがダイアル式だから、
高価なモノが入っていると思ったんだろう。」


・・・怪しい。


実に的を得た答えだ。
経験者は語る的な空気を感じ、
彼に警戒感を抱いてしまう。
(この一件以降、南京錠はシンプルなタイプを使うようになる。)


部屋の面子。
イギリス、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ブラジル、日本。
旅行目的は自分のみ。
あとは、出張か出稼ぎ。


イタリア人は定住場所が無く、
YHを転々としているとのこと。
彼は私に一言。


「お前はいいよな、旅ができて。」


残り僅かなこの旅の、
瞬間瞬間を大事にしようと、
決意新たに床につく。



旅の終点まであと5日。